2014年9月16日火曜日

9月のワークルームの様子

9月は『版画ワークルーム:ブロッキング法によるシルクスクリーン製版』を開催させていただきました。場所は前回のイベントに引き続き、古道具ハチミツさんの二階をお借りしました。




ブロッキング法ってなんだかわかりにくいですが、工程自体はすごくシンプルなものです。ご参加いただいた方のお写真をお借りして、どんなものだったかご報告させていただきます。(ご協力ありがとうございます!)





下絵をシルクスクリーンの版の上に直接描画剤(ペンタイプや筆)で描いて…





黄色い乳剤を塗って乾かして…



有機溶剤を筆につけて塗ると…



黄色い乳剤の部分はふさがっていますが、茶色い描画材で描いた部分が抜けます。ここからインクが通る仕組みです。




インクをのせて…




印刷完了です。






今回もみんなで布や紙に印刷しました。





この方法で製版するメリットは、ペンで描いてそのまま版になるという簡単な工程や、とても丈夫な版がつくれるということ。
感光材でつくるシルクスクリーンの版は、水洗いするとき壊れないよう注意しなくてはいけませんが、こちらの版は丈夫なので、水性のインクで印刷して、水で何度も洗っても痛みにくく、長く繰り返し使えます。


今回、写真をみて気がつかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、新潟市の手仕事の店tetoteさんもご参加くださって、お店でつかうためのものを作られていました。いろんな素材に印刷できて、繰り返し使えるシルクスクリーンは、業務用にもおすすめです◎



今回は作業工程上、すこし有機溶剤を使うという注意書きをさせていただいていたので不安な方もいらっしゃったかもしれません。(有機溶剤といえばわかりやすくいうと、マニキュアの除光液にも含まれるもので、揮発性のあの臭いのするものです。あの臭いが苦手な方もいらっしゃると思うので告知時に注意書きを書かせていただきました。)


有機溶剤って意外と日常生活のいろいろな場面でつかわれていたりします。
ちなみにお酒に含まれるエタノールも有機溶剤の一種です。
毒性はさまざまなので一概にいえませんが、油性の塗料系は基本的に含まれていると思いますし、印刷業ではいまだになくてはならないものです。


口にいれたり、日常的に大量に使ったりしなければ、市販されているものは極端に体に悪くはないとおもうのですが、お酒に弱い体質の人がいるように、油性のマジックの臭いをかぐのも苦手、という方がいらっしゃるかもしれません。



シルクスクリーン印刷というと、油性のインクを使うのが主流ですが、うちの版画ワークルームでは、有機溶剤をふくまない、水性のインクをつかっています。
水性インクは油性と違って臭いもないし、水で洗い流せるので、水彩絵の具のように、とても処理も簡単です。


ブロッキング法も、有機溶剤をつかわずに製版することもできるので、今度はそういったやり方もご紹介できればとおもいます。