福島潟 お散歩手帖
できあがりました。
これは、NPO法人ねっとわーく福島潟さんと、ビュー福島潟のレンジャーさんの「福島潟をお散歩するのに役立つ知識」がたっぷりつまった手帖です。
わたしはイラストとデザイン編集の部分で関わらせていただきました。
何度も福島潟に足をはこび、昨年ほぼまる一年かかって完成しました。予算の都合などでとてもシンプルな冊子ですが、64ページと、内容は充実しています。
以下、手帖につかった画像や文章をすこしお借りして、手帖の内容をすこしご紹介します。
そもそも、新潟以外の方は、福島潟といってもご存知ない方が多いでしょう。
福島潟とは、新潟市北区にある、 220種以上の野鳥、450種以上の植物、そして地域の人々が集まる水の公園です。
開拓がすすむ前の、新潟の原風景である「潟」の景色と、そこに暮らす生き物を守るため、たくさんの方が関わっておられます。
空から見た福島潟。
福島潟の面積は262ha、東京ディズニーランドが5つ入る大きさです。
とても広く、季節によっても景色が一変するので、慣れない人にはどこにどんな生き物がいるのか、どう楽しめばいいのかわかりずらいことが多かったようです。
わたしもそんな一人でした。
お散歩手帖は一年を6個の季節にわけて、みどころと、いきもののことが書かれています。
各季節ごとの、おすすめのお散歩コースもあります。
福島潟全体だと広すぎるので、自然学習園とよばれるエリアのマップです。
自然学習園だけでも、やみくもに歩くとかなり広いので、季節ごとのおすすめルートをまずは歩いてみてください。
その季節にみられる動植物が掲載されています。
訪れた人が楽しめそうなトピックや、コラムもあります。
項目ごとに原稿を書いた方の語り口調が微妙に違ったりするのですが、そこもなんだか実際に話を聞かせてもらっているようでおもしろいです。笑
長年にわたって福島潟を守る活動をしてきた方のまなざしが垣間みれるところもありますので、そういうところも個人的には好きです。
もともとわたしは挿絵を描くお手伝いということで関わらせていただいたのですが、編集会議に出席させていただいて、福島潟のまったく知らない素人の視点で意見をいう、という役割もすこしさせていただきました。
それにしてもみなさんの鳥や植物の知識の量は、とてもとても多すぎて、なにを削るか難しかったです。
そして、手帖づくりにあたって、絶滅危惧種などの貴重な動植物については、生息地を詳しく掲載するのには一定の配慮なども必要とのことでした。
残念ながら、そいういった生き物を乱獲する人がいるためです。
福島潟でも過去に、貴重な植物がごっそり持ち去られることがあったのだそうです。
めずらしい生き物たちのことを知ってもらいたい反面、そういった問題もあったりして、なかなか難しいことがあるんだなぁとしみじみ感じました。
でも、会議に出席されていたレンジャーさんやねっとわーく福島潟の方々は、だからといって、厳しいルールでがんじがらめになってしまっては、本来の自然の楽しみもできなくなってしまう、ということも気にされていました。
「みだりに生き物を採集することは禁止されております。とはいえ、葉っぱ一枚ちぎったり、草一本抜いてはいけないという場所でもありません。自然に親しんでこその公園ですので、マナーの範囲でお楽しみください。」
とのこと。(お散歩手帖より抜粋)
お散歩手帖には、草遊びについてのページもあります。
ヨシやクズ、マコモの葉っぱをつかってぜひ遊んでみてください。
こちらの建物はビュー福島潟。
建築家の青木淳さんが設計した、360度景色を楽しめる、螺旋状の建物になっています。
カフェやショップ、工作室や展示室など、来訪者に役立つ場所です。
オオヒシクイはすでに北へ帰り、白鳥たちもいなくなると、福島潟は春がきます。
雪がきえたあとの、一面の菜の花の景色は、ほんとうに美しいです。
福島潟のお散歩手帖は、配布方法はまだ決まっていませんが、また決まりましたらお知らせいたします。