今年の秋は、二つのイベントを予定しています。
一つ目は、新潟市で行われる朗文堂さん主催の活版印刷のイベント。
二つ目は、京都の恵文社一乗寺店さんのオリジナル紅茶の販売開始フェアです。
まず一つ目の、活版印刷のイベントのこと。
東京の朗文堂さんは、タイポグラフィー関連書の出版社でありながら、世界的にもめずらしい活版印刷機の製造販売もされています。わたしも活版印刷機導入にあたって、いろいろとお世話になっています。
そんな朗文堂さんが年に一度地方で出張開催される活版印刷のイベントが、今年は新潟市で開催されます。
まだ活版印刷の、ひよっこもひよっこの私ですが、新潟の会員として出展させていただくことになりました。
会場では、さまざまな活版印刷物が展示されますので、そちらは見応えたっぷりだとおもいます。イベントの詳細は、また朗文堂さんから決まり次第、お知らせいたします。
Viva la 活版 Let’s 豪農の館
2015年10月10日[土]-12日[月・祝] 09:00-17:00
会場:「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」(登録有形文化財)
新潟市江南区沢海 2丁目15-25
主催:朗文堂 アダナ・プレス倶楽部
イベントの詳細はこちら
いまつくっている新作の活版刷りのものを出展させていただきます。
印刷はこれからなので、これは製版前のイラスト下絵です。
あと欧文活字で文字を印刷します。
バースデーカードなど、日常で使えそうな、でも絵があんまりかわいくない二つ折りカードになる予定です。笑
こちらは、京都に新しくできる本屋さん、誠光社さんと一緒につくっている活版印刷×手漉き和紙のポストカードの下絵。
こちらも欧文活字によるテキストが添えられます。
どんなものになるかは、まだくわしくはお伝えできないのですが、こちらも展示会に出展予定です。
印刷につかわせて頂く紙は、新潟県栃尾の、山間で紙漉をされている方の手漉き和紙です。新潟産の楮をつかって一枚ずつ漉いた和紙。この色は、タニウツギやクルミなど、採取した植物で染められています。
昔ながらの製法でつくられる和紙はとても美しいのに、コスト面や、現代の印刷機ではなかなか印刷しづらいもの。
でもこの和紙の美しさにひかれて、この紙をつかって印刷物をつくりたくて、じつは版画をはじめました。sketch&noteとして活動をはじめるきっかけになったようなものです。
ずっと準備していた手刷り×手漉き和紙、ようやくスタートします◎
ご縁があって今年、新たに出会った福島潟(新潟市)のヨシ和紙をつかったポストカードも、これから試作に入ります。
楮の和紙と違って、凹凸の多い葦の和紙は、活版で大丈夫なのか、シルクスクリーンがいいのか、、、、
制作が間に合うか、ひやひやしています。
そして二つ目の、恵文社さんのイベントのこと。
「tea&books 恵文社のフランス紅茶」店内フェア
仕入れなどの都合により、販売終了したカトレア草舎の紅茶ですが、「tea&books」をテーマに、数量限定で、京都の本屋さん、恵文社一乗寺店のオリジナルのフランス紅茶として、販売させていただくことになりました。
輸入元のアンシャンテジャポンさんのご協力のもと、わたしはパッケージデザイン&印刷をさせていただきます。
フレーバーティは、まるでティーブレンダーが作る一つの物語のようなもの。その香りに挿絵をつけるような感覚で、パッケージを作ります。
本屋さんで絵本を選ぶように、紅茶を選んでいただければとおもいます。
そして今回の販売にあわせて、店内では「tea&books」をテーマに、恵文社さんに本と雑貨をセレクトして頂くことも計画中です。
フランス生まれのさまざまな香りのフレーバーティーを、絵本を選ぶような感覚で、本といっしょに楽しんで頂ければと思います。
この秋はぜひ、本と紅茶を、お楽しみ下さい。
期間:2015年11月21日~12月25日
会場:恵文社一乗寺店 生活館
住所:京都市左京区一乗寺払殿町10
http://www.keibunsha-store.com
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またいずれのイベントも詳細をお知らせします。
2015年8月23日日曜日
2015年8月21日金曜日
からっぽの画廊の、星たちを縫う。 終了しました
絵屋さんの貴重な「からっぽ」の空間で、参加型のドローイングワークを開催させていただきました。
当日は、用意していただいていた机に、ドローイングワークの流れがわかるように、わたしの作品をならべておきました。
今回のドローイングワークは、わたしがここ数年やっている、星を縫うのドローイングワーク をベースにしています。最初にみなさんにその話を実物を見せながら説明しました。
画廊の壁に無数にある、ちいさな穴。作品展示をした痕跡のちいさな点を、トレーシングペーパーで写します。(普段は自分でばばばっと描いている点)
ランダムに写し取ったもの
わたしは普段、あまり考えないようにしながら点をつなぐ作業をしますが、今回参加していただいた方には、それぞれすきなように点をつないでもらうことにしました。
つないだ線でうかびあがった形。点と線でかこわれた空間に色がみえたり、奥行きが見えたりするので色をぬっています、ということも説明させていただきました。
この秋からひさしぶりに再開する、紙のものの制作も、その流れのタッチで描いています。
絵屋さんの壁。からっぽの画廊の、星のように広がる点々の痕跡。
絵屋の土壁ができたとき、あまりにもきれいすぎてつまらない、といった絵屋の代表で、美術評論家の大倉さんが、自らひっかいて作ったという、うわさの痕跡。笑
大倉さんも参加してくださっていたので、その話のことを聞いてみました。ご本人は記憶がおぼろげのようでしたが、そばにいたという証言者の話では、大倉さんと舞踏家の堀川久子さんが、素手でひっかいていたそうです…。
これも大倉さん疑惑があるようなのですが、それについては分からずじまいでした。
この日、わたしは普段とちがうことをしてみようと、点以外の痕跡を写してみました。
壁に描かれたサインのような痕跡。
それから木の模様とキズ。
コピーをとって、
自分の線になりすぎておもしろくなかったので、なんとか崩そうと試行錯誤。さらにトレーシングペーパーに写し直して、 また壁の痕跡を赤い絵の具で写してみました。ランダムに、いろんな色で痕跡を重ねたらおもしろそうでしたが、ここで時間ぎれ。
大倉さんが絵屋で自分の絵を展示するという、 すごく貴重な光景でした。笑
ランダムな点を線でなぞる、というルールがあって、そういう場合、どんな絵になるんだろう。
ひとそれぞれ、違った色合いが見えたのがおもしろかったです。
みんな同じような手順だけど、それぞれ自分なりのルールがあったり、意図があったりなかったり。
普段、私が点をなぞるとき、点を「カルマ」としてイメージしてみることがある話とか、絵を描く上で、なるべくぎりぎりまで自分の自由をなくすことで、逆に楽になれることがある、という話をみなさんに話させていただいたりしました。
今回参加されたなかで、普段絵を描かない方も、この点をうつしてなぞるだけ、という行為は不思議と心地よかった、とおっしゃってました。
いちおう絵を描くことを仕事としてさせてもらっている自分にとって、自意識はいやというくらいついてきます。意識して絵を描くことの不自然さや違和感に苦しむこともあります。
そのときは、こういう感覚に逃げたくなります。
そして自分の意識から逃れすぎると、またむくむくと自意識から描きたくなるスパイラル。笑
あらためて、やっぱり絵を描くって不思議なことだとおもいました。
なにより、こんな内容のワークショップ、お付き合いくださったみなさま、ありがとうございました。笑
わたしが一番楽しませて頂いたのではないでしょうか…。
画廊という場でこんな機会を与えていただき、ほんとうにあらためて自分には100年早い気もしましたが、 ほんとに貴重な経験をさせていただきました。
去年からの仕事復帰で、ワークショップ中心にいろいろと活動させていただいてきました。
子育てや制作環境など、だいぶ整い始めたので、制作も腰をすえて出来るようになってきました。この秋、新作もいろいろ予定しています。
告知もふくめて、秋からの予定も次回、まとめてお知らせいたします。
福島潟フィールドワーク&版画ワークショップの様子
7月29日に新潟市北区のビュー福島潟で開催していた「福島潟のいきものスケッチ展」のワークショップのご報告です。
『夏休み自由研究 フィールドワーク&手作り版画体験ワークショップ』ということで、午前中は福島潟をレンジャーさんと一緒にあれこれ見てまわるフィールドワーク、午後は手作り版画を体験していただきました。
まずは、レンジャーさんのお話を聞きながら 、みんなで福島潟の植物やいきものをいろいろ見てまわります。
ちいさくてかわいいガガブタのお花も!福島潟のいきもの手ぬぐいにも登場します。
これはコウホネの花。
福島潟の冬といえばオオヒシクイ。オオヒシクイの名前の由来であるヒシです。オオヒシクイはヒシを食べるので、オオヒシクイと呼ばれています。
ヒシの実をつかった料理は、ビュー福島潟のカフェでたまに食べることができます。
冬、オオヒシクイの貴重な食料であるヒシの根っこは、そのままかじると葉が黒くなるそうです。副館長の松木さんは、以前、生の根っこをかじって食べたという話をききました。笑 もちろん人にはおすすめできない話なのですが、どうやら植物の研究をしている人は、いろいろ、普通は食べないような変なものを食べるそうです。
ちいさな葉っぱ。私の手の3分の1くらい。これ、じつはトゲトゲ巨大なオニバスの幼葉なのだそうです。 間違っていたらすみません!
四葉のクローバーのようなのは、デンジソウ。とてもかわいいです。これもてぬぐいに登場します。
今度は木を観察中。
鳥の巣が。雑な作りの巣です。
カマキリも。
虫こぶができた葉っぱ。
桑の葉。
普段ぜったいやらないですけど、わたしも抜け殻のブローチつけてみました。
トンボがなぜかはなれない。
トンボもじっくり観察させていただきました。虫はさわると羽とかとれそうでこわい!
またしても、なぜかバッタがはなれない。
ぱっと見て、いきなり四葉のクローバーを見つけた方も!デンジソウではありません。
版画の材料に、いろいろおすそ分けもらいました。
ビュー福島潟の工作室にもどって、みんなで休憩タイム。3階のカフェから飲み物の配達が。そして、ねっとわーく福島潟の方が、家でつくっているおおきなスイカを差し入れしてくださいました。すごく甘かったです。 お菓子もいろいろあって、幸せな時間でした。
ブロッキング方式で、採取してきた葉っぱをコラージュします。 実演中。
恐竜みたいにも見えるといわれました。
ストッキングに木工ボンドで絵を描くパターンもやりました。
福島潟のいきものの形を、みんないろいろにして作っていました。
夏のいい思い出になりました。ありがとうございました。
おまけ。
この日、福島潟でキャンプしていたドイツ人のマーティンさん。
福島潟のスタッフの山下さんは、語学が堪能なのでいろいろ話をしていました。
自転車で世界を旅していて、北海道、東京とまわってきたそうです。
福島潟にやってくる鳥たちも、南はインドのほうや北はロシア、いろんなところからやってきます。
旅をしながら生きるいきもの。
じっと根っこを張ってうごかないいきもの。
じっくり見つめると、心うごかされることがたくさんあります。