新潟市北区にある、水の公園 福島潟で、5月末から8月頭まで、福島潟のいきものをテーマにした展示をさせていただくことになりました。
福島潟は思い入れのある場所だったので、今回、展示をさせていただけるお話をいただいたとき、うれしいのと同時にびっくりしました。
(別の機会に触れる内容になりそうですが、他にも3回くらいびっくりすることがありました)
じつは以前、福島潟を絵にしたことがありました。
「渡りの夜から、冬のおわりへ」 という絵葉書のシリーズ。
新潟に移り住んで、はじめて見た雪国の冬の絵を、自分なりに絵葉書に残したものです。
秋のおわりの夜、白鳥がvの字になって夜空を飛んでくる「渡りの夜」をはじめて見たとき、とても感動しました。この感動は、一年目の、はじめての経験だからこそなのかもしれないと思って、それを絵日記みたいに描いた、絵葉書のシリーズでした。
その最後の絵が、「冬のおわり」。
冬がおわると、北へ帰って行く渡り鳥たちのいなくなった水辺の景色です。
この絵のモチーフになったのが福島潟でした。
(上の写真がまさにそう)
自分のなかで渡り鳥がやってきた夜から、また北へ帰っていくまでの間が、「冬」なのかなぁと考えました。
福島潟に初めて行ったときのことがカトレア草舎のブログにのこっているのですが
冬の福島潟の景色はこんなかんじです。
2012年の1月の写真です。
写真でどれだけ伝わるか分かりませんが、冬は一面の雪、そして湖のうしろには五頭山がみえて、とにかく平らな雪景色は圧巻なんです。
2011年の夏に新潟に移り住んで、はじめての冬で、このときはたくさん驚きました。
じつは、この絵葉書のシリーズのつづきも描こうとおもって、絵をいくつか描いていました。2013年の春に完成させようかとおもっていたのですが、そのころ子どもを授かって、ばたばたと慌ただしくいろいろな変化があって、いまに至りました。
不思議なことに、新潟に住んでみると、二年目以降の冬の記憶は薄くって、春の記憶は鮮明に残っています。
雪国では、長い冬がおわる春の芽吹きの季節が、とにかく輝いて感じられるからかもしれません。
初めて経験した冬の景色は、やっぱり初めてのときにしかない感動がありましたが、春の景色のうれしさ、喜びは、長く住めば住むほど、膨れていくような気がします。
一年目の春から夏、というものが過ぎ去って、それ以降の景色というのは、自分の置かれている状況によって大きく揺れていることもあって、なんだかまだうまく絵にできそうにない、とも思っています。
そんな、今年の春が始まる頃に、福島潟の展示のお話をいただいて、出かけて行ったときの景色。
4月のあたまごろですが、菜の花が一面咲いていました。
そして水辺の景色はというと、
からっぽです。
冬鳥もいなくなって、夏の季節の鳥やいきものが来る前の、静かな時期。
土の上より水の中の春は遅いようです。
これからどんなふうに変わって行くのか、楽しみです。
今回の展示では、景色ではなく、福島潟のいきものを知ってもらうきっかけになるような絵や、ものを作る予定です。
---------------------
「福島潟のいきものスケッチ展」
場所_水の駅「ビュー福島潟」1Fビューショップ
会期_2015年5月26日(火)〜8月2日(日) 9時〜16時半 (月曜日休館)
福島潟には、どんな鳥や植物がいるのでしょうか?水辺には絶滅のおそれがある生き物たちも、たくさんいます。そんな生き物たちのスケッチの展示と、福島潟の葦をつかった和紙の版画絵葉書や、トートバッグなどの販売を行います。にぎやかな夏の潟の生き物たちを探しに、福島潟へお越し下さい。
◆夏休み自由研究 フィールドワーク&手作り版画体験ワークショップ
日程_7月29日(水)9時〜13時 参加費¥1500 定員15名
福島潟をレンジャーと散策し、生きものをスケッチしたあと、ストッキングと段ボールと
ボンドを使った、手作りシルクスクリーン印刷機でオリジナルエコバックをつくります。
お申し込み先
NPO法人ねっとわーく福島潟 tel 025-387-0284
〒950-3328 新潟市北区前新田乙493 水の駅「ビュー福島潟」
オオヒシクイとオニバスの里 水の公園 福島潟は、220種以上の野鳥、450種以上の植物、そして地域の人々が集まる自然公園です。